【馬鹿げた話】10年後に、なくなる仕事があるって騒いでる件!

仕事
「10年後に、あなたの仕事はなくなる」「AIの導入で、あなたの作業は不要になる」「あと●●年で、なくなる●●個の仕事」そんなキャッチを多く見かけるようになりました。似たような内容の書籍も多数出版されているようです。しかしですね、そんなことは有史以来、繰り返してきたことで、今に始まったことではなく、何も特別なことではありません。現在の仕事がいつまでも存在するはずもなく、不要になる業務や機械にとって代わる作業があるからこそ、新たに人を必要とする仕事が生まれます。

事業(仕事)とは、問題を解決すること

そもそも事業(仕事)とは、何のために存在するのでしょうか?「お金を稼ぐため!」と即答しているような人は、少なくとも起業しない方が良いです。間違いなく3年以内に廃業になるでしょう。事業とは、問題を解決するためにあります。問題が解決されるからこそ、お客さんはお金を払ってくれる訳です。つまり、「仕事がない」とは、そこには「解決すべき問題がなにもない」状態といえます。

各論としては、その問題が解決すれば、仕事はなくなります。しかし、社会全体から問題がなくなるなんてことは絶対に有り得ません。要するに、この社会で困っている人が誰もいないってことです。もし、困っている人が一人もいなくなったら、この社会から仕事はなくなるでしょう。多分、その状態が実現したら、お金さえ不要な世界になっているはずです。なぜなら、お金がなくて困っている人もいなくなるってことですから…。

大切なのは問題の存在を知る力

問題さえあれば、そこには事業(仕事)が存在できることになります。ただし、その事業での収支を黒字にするのは経営者や事業者の手腕です。当然、赤字続きではその事業は継続できません。また、その問題の解決自体が大したものでないのなら、誰もお金を払ってまで解決してもらおうと思わないでしょう。

ビジネスの世界には2種類の人間しかいません。1つは「仕事を生み出す人」、もう1つは「生まれた仕事をやる人」です。簡単に言うと、「事業主(起業者)」と「労働者(雇われる人)」ってことになります。つまり、仕事がなくなるってことは、起業する人がいなくなることと同意です。何が言いたいのかと申しますと、社会として、10年後にその仕事がなくなるのかどうかを心配するのではなく、起業する人が多く存在してくれているのかを心配すべきなのです。

起業する人が少ないと社会が衰退してしまう本質はここにあります。そして、起業の源泉は「問題の存在を知る」こと、そして「問題の存在に気が付く力」があることです。こうした力を持った若い世代の育成が急務です。どんな仕事がなくなるか?なんて議論には殆ど意味がなく、流れに任せるしかないのです。