中国人による爆買いは過去のものになりつつありますが、その話題が熱かったころ取材を通じ、爆買いをしている中国人本人にインタビュをしたことがあります。どこから来たの?何を買ったの?その商品は自分で使うの?などなど、色々と質問しました。そうした中、あっと驚くような予想外の答えが返ってきたのを覚えています。
その質問は「なぜ、日本のお店で、そんなに多くの商品を買うのですか?」です。私としては「欲しかったから」「中国にはないから」「日本製は質が高いから」などの返答を予想していたのですが、その予想は見事にハズレました。
なぜ、日本のお店で、そんなに多くの商品を買うのですか?
秋葉原にて、爆買いを終えたばかりの中国人本人に、この質問をしました。その答えは「店員が優しいから」でした。それも、そう答えるのが一人や二人ではなく、ほとんどの人がそう答えました。これは本当に予想外でした。
更に、突っ込んで話を聞くと、中国では店舗に入っても「いらっしゃいませ」などの挨拶はされることがなく、何か質問しても最低限の説明しかしてもらえないとのことでした。そもそも論として、接客なんて概念がないように感じました。
また、ある中国人は「とりたてて買うつもりはなかったのだが、店員の話を聞いているうちに、あれもこれも買いたくなった」と言っていました。正しく、日本が誇る接客の成果だと思います。
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接客に慣れ過ぎた日本人の弊害
お客様は神様だ論を振りかざして、店員に土下座までさせる客(日本人)がいるのが話題になりましたね。私は「クレーマー」って呼び方はあまり好きではありませんが、それにしても行き過ぎた客側の主張だと思います。店員の誤った対応により、客の命にかかわるような事故の可能性があったのなら理解もできますが、私が知っている限りでは単に接客態度が気に入らなかったのが原因のようです。
ネットでは、「お客様は神様と言うけれど、本当に神様なら文句も言うまい」とするコメントを見たことがあります。思わず吹き出してしまうくらい、言い得て妙です。
中国人の爆買い取材を通じて、自分自身も「接客慣れ」し過ぎていることに気が付きました。慣れと言うよりは、ボケとした方が適切なような気もします。どっぷりつかっていると見えなくなってしまうものって他にも色々ありそうですね。
「接客ボケ」「平和ボケ」「安全ボケ」「親切ボケ」などなど、誰かのおかげで成り立っているのに、それを知ろうともせずに当然のごとく受け入れる。こうした慢心は、感謝を知らない世知辛い社会の産物と言えるのではないでしょうか。今日から私も気を付けます。